モンテッソーリ教育とは | 社会福祉法人秀幸福祉会　認定こども園 ちとせ學院

乳児のモンテッソーリ教育（0～3歳）

乳児は、生まれた時から身の回りにある環境のありとあらゆるものを善悪の関係なく吸収し、自分を創っていきます。
それは、無意識のうちに行われ人格として築き上げられます。そのエネルギーは、子どもの内面にあって大人が教え込むものではなく、子どもを取り巻く環境（人や物）から吸収します。
 幼い子は、いつもきれいに整理整頓されたお部屋や決まった場所に物が置かれている環境で過ごすことで、秩序ある生活を自分のものとし、また一番多く接した人からは、顔の表情・身の動き・物の取り扱い方・やさしさ・言葉遣いなど、その人格そのものを吸収して自己を成長させていきます。
 子どものこうした成長を知った上で、当學院のモンテッソーリ教育は0から3歳までの乳児期において、一人ひとりの内的な要求が満たされるよう、また自分でできるようになるよう保育教育を行っております。

ハイハイやつかまり立ち、つたい歩きなど、充分運動ができる広いスペースを用意しています。お子様一人ひとりの生活リズムを受け入れ、担当保育教諭との愛着関係を育んでいきます。0歳のお部屋では歩けるようになるための教具をご用意しています。そして、秩序を乱さないよう、毎日同じ場所でお着替え、食事（授乳）、午睡を行うことで安心して過ごすことが出来ます。
また、歩けるようになると発達に適した教具や環境が必要になるため、月齢や年齢に関係なく1・2歳児クラス（さくらんぼ組）のお部屋へ移行します。

0歳児クラス（いちご組）で歩行が完成した子ども達は1・2歳児の縦割りクラスへ移行します。家庭では全てが大人サイズの物に対して、当學院では1・2歳児の小さな手でも扱うことができるサイズで本物（陶器やグラス製、普段大人が使っているものの子どもサイズとお考えください）の教具を用意しています。
たくさんのおしごとの中から自分で好きなものを選んで取り組むことで集中力が生まれ、落ち着きと安定した心が育ちます。1歳児は2歳児の動きを見て、それを模範し、吸収していきます。
さくらんぼ組のおしごとの領域は大きく3つに分かれています。
それぞれの領域ごとにご説明していきます。

歩行が完成すると両手が自由に使えるようになります。両手を使って何かをしたいという欲求を満たすため、この領域では物を穴に落としたり、紐を通したりするおしごとがあります。1・2歳というまだ小さい子どもたちでもハサミや針を使うおしごともあります。初めて触るおしごとは必ずディプロマ保持の保育者が使い方を提供いたします。また、それぞれのおしごとには適応年齢があります。そのため、担任はお子様一人ひとりの発達を観察しお子様に“今”必要な教具を提供しています。

今まで身近な人がしていること（家事等）をずっと近くで見てきた子どもたちは、大人と同じことがしたいという欲求があります。机を拭いたり、ほうきと塵取りを使ってお掃除をしたりしていると同じように真似ていることがあります。そうした欲求を満たすためのおしごとが“日常生活の練習”の領域です。これらはすべて子どもサイズで本物の教具を用いて行っていきます。大人と同じことが出来る喜びと共に自立への一歩にもなっていきます。机に水をこぼしてしまってもどうすべきか知っていれば、言われなくても台拭きで拭くことが出来ます。大人に頼らなくても自身で解決すつことが出来てきます。そのほかにも身だしなみを整えることも乳児期に身につけられるようにしていきます。

日常生活の練習の領域には身の回りのお世話や自己の身だしなみ以外にも“クッキング”があります。お家でご両親がお料理をしている姿を見てきた子どもたちは同じようにやってみたいという欲求があります。
材料やそれぞれの用具を子どものサイズで用意してげると、子ども達は最後まで自分で仕上げることができます。野菜の皮むきのような簡単なものから、クッキー作りやパン作り等、工程の長いものまで様々ですが、どれも一度提供を行い、何度も繰り返し行うことで最後まで大人の援助なしで行うようになっていきます。
最後は、用具を水道で洗ったり、水気を拭いたりも出来るようになります。
※現在は新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、クッキングの実施はありません。

おなかの中にいる胎芽の時期から毎日母の声や言葉かけ、周りの音を聞き、生まれる前から言語教育が始まっています。生まれてからは周りの環境で話されている言葉を吸収していきます。言語が豊かな環境があってこそ、子どもの言葉の発達の援助になります。
“言語”の領域の棚には本物の野菜や果物が置かれていたり、レプリカやカード、絵本など様々な物の名称を知るための教具が置かれています。本物に触れることでそのものを五感を使って名称と共に物の香りや触感、温度や重さを知ることが出来ます。約2週間ごとに内容が変わるので子どもたちは飽きることなく新しい物の名称を知ることが出来ます。たくさんの名称を知っていくことで、発語が始まると爆発的にお話をし始めます。また、言葉での意思疎通もスムーズに行うことが出来るようになってきます。

お昼寝は昼食後にお昼寝の用意ができた子から、自分の好きな場所を選んで静かに眠りにつきます。お昼寝時間や約3時間、ゆっくりと体を休められる時間を設けています。

着脱では出来ない所だけを保育教諭に援助してもらい、なるべく子ども自身で着脱ができるようにしていきます。また、着脱方法（手の通し方など）を一貫して伝えていっています。
1歳児は2歳児がしている様子を見ているので無理なく進めていくことができます。

モンテッソーリ教育ではトイレトレーニングとは言わずに“トイレットラーニング”といいます。なぜならこれは排泄をトレーニングして教え込むのではく、子どもたちが生活の中で自然と学んでいくものだからです。
当學院では排泄の自立に向かう、0歳からトイレットラーニングを始めます。0歳のお子様でも腰が安定してお座りができるようになるとオマルに座る習慣をつけていきます。お外遊び前や午睡後など、決まった時間にオマルに座り排泄できるようにしていきます。このことが習慣となり、排泄のリズムが出来ていきます。
オマルへの抵抗もなくなってくると、オマルや便座で排泄できるようになっていきます。
また、日中は布おむつ、布パンツを使用しております。今日の紙おむつや紙パンツは非常に優れており、排泄してもすぐににサラッとして“濡れて気持ちが悪い”という感覚が鈍ってきてしまいます。そのため登園後から帰宅するまでの間はレンタルパンツ（布パンツ）で過ごします。排泄する度にしっかりと濡れて結果が目に見えるため、子どもたちは「着替えなければならない」ということを理解していきます。そして少しずつ自身の排泄の感覚が把握できるようになり排泄の自立へと向かいます。おおよそ2歳前後でほぼ自立できるようになります。（個人差はあります）